「ゾルバのシエスタ」で驚いた
ちょっと驚いたことなので、載せます。
以前にアップした記事――「ゾルバのシエスタ(再び)」をプリントして、友人に渡したところ・・・
その友人は、こう言ったのです。
「メキシコの漁師もイイけど、
アメリカ人の生き方かな~~」
私は我が耳を疑いました。
世間一般の方の意識はそうなんでしょうか???
↓↓以下、「ゾルバのシエスタ(再び)」(一部を改編)です。↓↓
メキシコ湾を望む小さな田舎町、海岸に小さなボートが停泊している。
人の良さそうなメキシコ人の漁師が、楽しそうに小さな網に魚をとっている。
男は、年のころなら30代の半ば、働き盛りに見える。
採れた魚はなんとも生きがいい。
それを見ていたアメリカ人の旅行者が声を掛ける。
「美味しそうな魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの?」
漁師は手を止め、海岸の砂場に腰を下ろして答える。
「なぁに、ほんのちょっとの時間だよ」
旅行者
「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れただろうに。おしいなあ。」
「いや、これでいいんだよ。自分と自分の家族が食べるにはこれで十分さ」
「それじゃあ、あまった時間はいったい何をしているの?」
アメリカ人旅行者が尋ねると、漁師は答える。
「日が高くなるまでゆっくり寝て、それからわずかの時間だけ漁に出るんだ。
食べる分だけ獲ったら、すぐに漁は止めるよ。
戻ってきたら子どもたちと遊んで、女房とシエスタ(昼寝・午睡)して・・・
夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって、
ダンスもするよ。
たまにはエッチもね。
もちろん女房とだよ。
これが楽しみなんだ! エヘ、エヘ、エヘ。
あぁ、これでもう一日は終わりだね。」
すると旅行者は急にまじめな顔になり、漁師に向かってこう言った。
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBA経営管理学修士を取得した人間として、きみに素晴らしいアドバイスを贈ろう。
いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。
家族で食べる量はできるだけ少なくして、遊びも睡眠も我慢する。
たくさん獲るんだ!もっと、もっと、たくさんだ!
そして魚は売るんだ!
お金が貯まったら大きな漁船を買う。
そいつで根こそぎ魚を獲るんだ!
漁獲高は上がり、儲けも増える。
その儲けでまた漁船を2隻、3隻と増やしていくんだよ。
やがて大漁船団ができるまで頑張るんだ。
いいかい、家族で食べる量はできるだけ少なくするんだよ。
遊びも睡眠も我慢する。 我慢するんだ。
そこで仲介人に魚を売るのはやめだ。
自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。
その頃、きみはメキシコ湾のこのチンケな村を出てメキシコシティに引っ越し・・・
そして遂にロス、ニューヨークへと進出していくんだよ。
そうさ、きみはマンハッタンの摩天楼のオフィスビルから多国籍大企業の指揮をとるんだ。」
漁師は尋ねた。
「そうなるまでにどのくらい時間がかかるのかね?」
「おそらく25年でそこまでいくね。
それまでは何事も辛抱だよ。」
「それからどうなるの?」
「それから?
きみ~、そのときは本当にすごいことになるよ!」
旅行者はにんまりと笑う。
「自社株を売却して、きみは億万長者になるのさ!」
漁師は不思議そうに尋ねた。
「それで何をするの?」
アメリカ人旅行者は我が事のように興奮して答えた・・・
「そうしたら引退して・・・・うん!
メキシコ湾の海岸近くの小さな村に住んで、
日が高くなるまでゆっくり寝て、釣りに出る。
戻ってきたら孫と遊んで、奥さんとシエスタ(昼寝・午睡)して・・・
夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって、ダンスもいいね。
残念だけど・・・もう出来ないだろうけれど、
たまにはエッチもね。もちろん奥さんとだよ。 エヘ、エヘ、エヘ。
ああ、こうして一日が過ぎていくんだ。
どうだ!
すばらしいだろう!!」
人の良さそうな漁師はニンマリと微笑んだ。
そして砂浜からゆっくりと立ち上がると何処へか歩き出した。
漁師の行き先は誰も知らない。
以前にアップした記事――「ゾルバのシエスタ(再び)」をプリントして、友人に渡したところ・・・
その友人は、こう言ったのです。
「メキシコの漁師もイイけど、
アメリカ人の生き方かな~~」
私は我が耳を疑いました。
世間一般の方の意識はそうなんでしょうか???
↓↓以下、「ゾルバのシエスタ(再び)」(一部を改編)です。↓↓
メキシコ湾を望む小さな田舎町、海岸に小さなボートが停泊している。
人の良さそうなメキシコ人の漁師が、楽しそうに小さな網に魚をとっている。
男は、年のころなら30代の半ば、働き盛りに見える。
採れた魚はなんとも生きがいい。
それを見ていたアメリカ人の旅行者が声を掛ける。
「美味しそうな魚だね。どれくらいの時間、漁をしていたの?」
漁師は手を止め、海岸の砂場に腰を下ろして答える。
「なぁに、ほんのちょっとの時間だよ」
旅行者
「もっと漁をしていたら、もっと魚が獲れただろうに。おしいなあ。」
「いや、これでいいんだよ。自分と自分の家族が食べるにはこれで十分さ」
「それじゃあ、あまった時間はいったい何をしているの?」
アメリカ人旅行者が尋ねると、漁師は答える。
「日が高くなるまでゆっくり寝て、それからわずかの時間だけ漁に出るんだ。
食べる分だけ獲ったら、すぐに漁は止めるよ。
戻ってきたら子どもたちと遊んで、女房とシエスタ(昼寝・午睡)して・・・
夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって、
ダンスもするよ。
たまにはエッチもね。
もちろん女房とだよ。
これが楽しみなんだ! エヘ、エヘ、エヘ。
あぁ、これでもう一日は終わりだね。」
すると旅行者は急にまじめな顔になり、漁師に向かってこう言った。
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBA経営管理学修士を取得した人間として、きみに素晴らしいアドバイスを贈ろう。
いいかい、きみは毎日、もっと長い時間、漁をするべきだ。
家族で食べる量はできるだけ少なくして、遊びも睡眠も我慢する。
たくさん獲るんだ!もっと、もっと、たくさんだ!
そして魚は売るんだ!
お金が貯まったら大きな漁船を買う。
そいつで根こそぎ魚を獲るんだ!
漁獲高は上がり、儲けも増える。
その儲けでまた漁船を2隻、3隻と増やしていくんだよ。
やがて大漁船団ができるまで頑張るんだ。
いいかい、家族で食べる量はできるだけ少なくするんだよ。
遊びも睡眠も我慢する。 我慢するんだ。
そこで仲介人に魚を売るのはやめだ。
自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。
その頃、きみはメキシコ湾のこのチンケな村を出てメキシコシティに引っ越し・・・
そして遂にロス、ニューヨークへと進出していくんだよ。
そうさ、きみはマンハッタンの摩天楼のオフィスビルから多国籍大企業の指揮をとるんだ。」
漁師は尋ねた。
「そうなるまでにどのくらい時間がかかるのかね?」
「おそらく25年でそこまでいくね。
それまでは何事も辛抱だよ。」
「それからどうなるの?」
「それから?
きみ~、そのときは本当にすごいことになるよ!」
旅行者はにんまりと笑う。
「自社株を売却して、きみは億万長者になるのさ!」
漁師は不思議そうに尋ねた。
「それで何をするの?」
アメリカ人旅行者は我が事のように興奮して答えた・・・
「そうしたら引退して・・・・うん!
メキシコ湾の海岸近くの小さな村に住んで、
日が高くなるまでゆっくり寝て、釣りに出る。
戻ってきたら孫と遊んで、奥さんとシエスタ(昼寝・午睡)して・・・
夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて、歌をうたって、ダンスもいいね。
残念だけど・・・もう出来ないだろうけれど、
たまにはエッチもね。もちろん奥さんとだよ。 エヘ、エヘ、エヘ。
ああ、こうして一日が過ぎていくんだ。
どうだ!
すばらしいだろう!!」
人の良さそうな漁師はニンマリと微笑んだ。
そして砂浜からゆっくりと立ち上がると何処へか歩き出した。
漁師の行き先は誰も知らない。
テーマ : 気付き・・・そして学び
ジャンル : 心と身体